一般的な住宅の外壁の種類は大きく分けて6種類あります。
目次
この外壁の種類によって使える塗料、使えない塗料、使えるが推奨できない塗料等あります。
①モルタル
モルタルのメリット
難燃性が高く丈夫で湿度調整の出来る外壁で、風合いが表現できるのが特徴です。
モルタル外壁は新築時に左官屋さんがラス網と言う金網の上からモルタルを左官ごてで塗って施工するのでサイディングボードの様に部分的な交換が難しい外壁になりますが強度や難燃性に強い外壁です。また、水性塗料が多いのではないかと思われます。水性塗料は下塗りも含め、油性塗料より比較的柔らかく塗料の粒子が大きい為、透湿性が油性塗料と比べると比較的にあるのでモルタルの様な呼吸した方が良い外壁にはお薦めです。
モルタルのデメリット
経年劣化や地震、台風などによって外壁にクラックと呼ばれるひびが入ることがあります。
このひびが入ることによって水が侵入し、虫やシロアリが中に入り雨漏りや内部の木部の腐食に繋がる可能性が有る為塗装工事が必要になる場合もあります。
モルタル外壁に塗装するポイント
モルタルも一概に塗料を塗ればいいという訳ではありません。モルタル壁にもたくさん種類があり、新築時のモルタルに何を塗ってあるかによっても塗料の選定が変わりますが一般的に塗り替えで多く使われているのが水性塗料です。多少の弾性機能を持たせてある塗料で塗られていることが多い気がします。新築時に塗るもしくは塗り替えでモルタル壁に塗る場合は必ず透湿機能のある塗料を選びましょう。旧塗膜の上に塗り替える場合はあまり意味がありませんが、旧塗膜がないのであれば透湿機能のある塗料は塗膜が呼吸できるので膨れや壁内結露が起きにくくなるのでお勧めです。モルタル壁の傷み具合によっても合う塗料等ありますがメリットとデメリットを分かった上で施工するのが一番いいでしょう。
業者選びと素材選び
例えばひび割れが酷いから高弾性の伸びる塗料を使った方がいいと提案してくる業者がいたとして、施工したは良いけどまた2~3年で割れてきてしまったり、高弾性塗料の為塗膜が水膨れみたく膨れてきてみっともなくなってしまったとか言う話を聞きます。確かに高弾性塗料はひび割れに追従してくれる塗料なんですが塗膜厚的に1mm~あってもせいぜい2mm程度の膜厚の為大きな地震やひび割れの深さや構造によっては簡単に割れてしまったりします。逆に細いひび割れなどに追従してくれて長持ちしてくれるケースもあるみたいですがこういう事を考慮しながら検討していくのが良いでしょう。高弾性塗料は中に水が入ってしまうと厄介で膨れやすい塗料なので特に門塀や基礎等水を吸い上げやすい部分に施工するのは不向きですので塗膜の硬い塗料で膨れずらい塗料を選ぶ事をお勧めします。モルタル壁も硬い塗料を選んだ方が膨れませんがひびは入りやすくなってしまいますので硬い塗料が良いか高弾性塗料が良いか中間位の硬さの塗料が良いかはしっかりと業者さんと打ち合わせて決めるのがいいでしょう。
②サイディングボード
サイディングボードは物にもよりますが油性塗料を使う事が比較的多いように感じます。ペンキの匂いを気にされる方は水性塗料を選ぶ方が多いですが油性塗料の方が少しだけ紫外線劣化に強い気がします。油性塗料の方が仕上がりもよく水性塗料より硬い場合が多いです。最近ではサイディングボードの傷みが激しい場合下塗りで油性シーラーではなく水性で膜厚をつけて荒れた部分をリカバリーしてくれる女性化粧品のファンデーションの様な役目をしてくれる下塗り剤等も出ている為業者さんと良く打ち合わせをして決めるのが良いかと思います。サイディングボードの場合は殆どが目地コーキングを施工してあるケースが多い為目地の上の塗膜はどうしても地震や熱で割れやすくなります。その為割れやすい家の場合はひび割れ防止の下塗り材を入れてから通常の下塗り材を塗って施工する場合もある為塗装専門の業者さんに相談することをお勧めします。
③ガルバリウム鋼板等金属サイディング
ガルバリウム鋼板等金属サイディングは必ず錆止め又はガルバリウム鋼板用下塗り材を入れてから油性塗料の方が良いでしょう。金属サイディングの場合は塗料のローラー目が出やすい為使うローラーはキメの細かいローラーや毛の短い短毛ローラーを使うか吹き付け塗装で仕上げる事をお勧めします。只、吹き付け塗装をする場合は周囲の飛散に注意をしないといけない為塗装専門業者さんによく相談されることをお勧めします。
④ALC(軽量発砲コンクリート)
ALCは水性の透湿性塗料を使うのがいいかもしれません。絶対ではありませんが、ALCの構造は簡単に言うとコンクリートを発泡スチロール化したものなので断熱性が高く地震に強いですが水に弱いです。透湿性の無い塗料を使うと湿気がこもり膨れやALCの腐食に繋がります。ALCは断熱性が高い分蓄熱性も高いので熱が逃げにくく塗装が膨れやすいので水性などの透湿機能のある塗料がいいのではないかと思います。
⑤コンクリート
コンクリートもALCと同様に地震や台風に強く断熱性能も高いですが蓄熱しやすいのが特徴です。コンクリート造で良く高弾性塗料を塗って水膨れになっている建物をたまに見かけますがやはりコンクリートも油性塗料よりは水性塗料の方がいいのではないかと思われます。コンクリート造だと屋上等は陸屋根になっている事が多いですが屋上は遮熱型の防水材かもしくは防水の上にNCKのアドグリーンコート(遮熱塗装)を施工するのが建物にはいい気がします。
⑥木(ログハウス)等
木やログハウス等は水性、油性どちらとも言えがたいですが基本的には防腐塗料を塗ることをお勧めしています。木は呼吸する為塗膜をつけると割れて剥がれてきたりペンキと木の間に水が入り腐食の原因になったりもする為浸透させる防腐塗料が施工には向いています。
木やログハウスは建物の中で恐らく一番メンテナンスコストの掛かる建材です。それは防腐塗料だと耐久年数が通常の塗膜をつける塗料に比べると単純に落ちるからです。使う防腐塗料にもよりますが大体木の塗り替え目安が3年から8年程度です。それ以上放置する方もたくさんいらっしゃいますが、長持ちさせたいのであればそれくらいの間隔で再塗装しなくてはなりません。おすすめはオスモと言う海外メーカーの防腐塗料でウッドステインプロテクターと言う商品がありますがこの商品は少し高いですが他の防腐塗料に比べて比較的に耐久性が高いのが特徴です。塗料以外にも木やログハウス等は下地処理が重要です。他の外壁と同じ様に高圧洗浄を掛けると木がけば立ってしまったりするので注意が必要です。カビや汚れをしっかり薬品等を使い落してから旧塗膜を場合によっては削っていかないといけない為手間がかかりますが木の温かみが好きな方はメンテナンスコストの事も考えた上で検討されるのが良いかと思います。
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