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塗料のJIS規格とは

日本の建築塗料にJIS規格という物があります。

日本の建築塗料にJIS規格という物があります。
これはどういうものかと言いますと、通常塗料メーカーが商品を開発した時、その塗料の耐候性試験をします。この時に通常の材料は各メーカーが自社内で試験してそのデータを基にその商品の耐候性能を表しますが、JIS規格製品はこのデータを基に第三者機関が厳密な検査をして、国(国土交通省)が公共工事に使用できる一定の性能が有りますよという証明のことをJIS規格と言います。

この規格は簡単に言うと塗料の安全性、性能を試験データと実績と共に日本工業規格(JIS規格)という団体が太鼓判を押した商品であると言う事です。塗料のJIS規格の中にはJIS A 6909 耐候型1種・耐候型2種やJIS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料3級・2級・1級が有ります。

 JIS A 6909は簡単に言うと下塗りと上塗りのセットじゃないと取れない規格で、ある一定以上の耐候性能が有れば取れる規格になります。通常、商品にもよりますが、例えばSK化研のクリーンマイルドウレタン(期待対応年数10年~12年)JIS A 6909 耐候型1種に対し、SK化研のクリーンマイルドフッ素(期待対応年数15年~20年)もJIS A 6909耐候型1種と同じなのです。ここで、なんで耐久性の違う塗料が同じ耐候型1種なの?と思いませんか?その通りです、そこで、塗料の耐久性が違うのに等級が一緒なのはおかしい!と言う事で出来たのがJIS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料3級・2級・1級です。

IS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料3級・2級・1級

 この規格は比較的最近の規格になりますが、一番長持ちするフッ素樹脂が1級、次に長持ちするシリコン樹脂が2級、ウレタン樹脂が3級と言う形に分かれています。

ここでポイントがこの規格は上塗りのみの規格になるという事と(下塗りは別のJIS規格)、建築用耐候性上塗り塗料は各メーカーごとに、それぞれの級で1商品しかJIS規格を取っていないという事です。なのでシリコン塗料だからと言ってJIS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料と同等品かと言うと値段も機能も耐久性も違ったりします。

大枠で言うとシリコン塗料の期待対応年数が12年~16年位になってますが、一番安いシリコン塗料がそれだけ長持ちするかと言われればちょっと首をかしげてしまいます。K 5658 建築用耐候性上塗り塗料の中でもメーカーによって商品も違うので多少品質に誤差があります。

 個人的にお勧めするのは日本ペイントさんの商品と関西ペイントさんの商品が安全で長持ちかなと思います。他のメーカーはコケや藻が出やすかったり、塗料の改良が遅かったりします。

日本ペイントに関しては塗料の改良も早くJIS規格やそれ以外の規格も取っていて安心です。フッ素塗料に関しては最新のフッ素技術の4フッ化4フッ素を採用している為他社のフッ素に比べても一つ群を抜いています。

他に関西ペイントも全体的に良いですが、材料が良い為、扱いずらいのが特徴です。材料の中には下地をはがしてしまう材料等も有るので関西ペイントを使い慣れた職人が施工するのが良いと思います。

 他にもJIS規格を取っていない商品(大手メーカー・日本ペイント・関西ペイント・SK化研以外)の塗料メーカーが多いですが、無機塗料や光触媒、ピュアアクリル塗料等が有ります。これらの塗料は自社内での耐候性試験でのデータから期待対応年数を打ち出し、期待対応年数で20年~30年とうたっている商品も存在します。JIS規格と違って自社内なのでこのデータが果たしてどこまで信憑性があるかは分かりませんが、本当に持つのであればそういった材料も検討の一つに入れてみても良いかもしれません。あくまで検討程度に、建物の状況や用途、実績と値段などを考慮して決めていった方が良いかもしれませんね。