屋根外壁塗装工事の施工の流れ
足場組む前に
家の周囲やベランダ、屋上、駐車場等に物や車が置いてありませんか?
足場を組む際に物や車両が有ったりすると思うように足場が組めなかったり、工事が出来ません。その為、工事前に事前に物や車両をどかす必要があります。その他に足場を組む際、カーポートやテラスの屋根を外さないと工事出来ないなんてことが良くあります。
そういった場合は足場を組む前に外してから足場を組みます。植木等が伸びて酷い場合は植木を切り落としますが基本的に施主様で対応できるものは施主様にお願いしておりますが施主様で対応できないものはお話し合いで対応しております。
Step.1 足場工事
外壁や屋根を塗装する際安全にしっかり塗る為には必ず必要になってきます。
その中でも作業のしやすい足場、台風や地震が来ても倒れにくい足場、他にも屋根塗装用の足場や、瓦工事用足場は材料と組み方、手間等も違ってきます。単に足場を組むと言っても、それなりに技術と手間がかかってきます。
足場がない為に事故や仕事が雑になったりするケースもあるようです。高さのない建物などに関しては稀に足場がなくても施工可能なケースもありますが基本は塗料や水、埃、ゴミの飛散等がある為外装工事をする際は必ず組む物と考えておきましょう。
Step.2 高圧洗浄
高圧洗浄とは高圧な水を出す機械で外壁や屋根、塀やコンクリートの床を洗う作業で錆や汚れ、誇り等を取り除き塗料の密着性や養生の密着性を上げる為に行います。汚れが酷い場合はバイオ洗浄剤を入れて汚れを分解洗浄していきます。
※ケースバイケースで洗浄しないでケレン(目粗し)等をして塗装する場合もあります。
外壁や屋根の塗装をする際大変重要な作業です。ここをしっかりやらないと塗装の剥がれや汚染の原因になります。建物が古かったり、傷みが激しかったり、立て付けが悪いとサッシやサッシの周り、他の部分から水が染み出てきたりする事も有ります。その場合は適切な処置方法を検討していく必要が有ります。
Step.3 養生
屋根や外壁を塗装する際、塗料の飛散を防ぐ為にはしっかりとした養生が必要です。サッシ廻り等洗浄でしっかり埃等取り除いた後ビニール製の養生で窓や床など塗料が付着してはいけない部分をかこっていきます。
季節によっては窓にテープ後が残る為ビニールを張る前に糊の残らないテープを一本入れたり風が強い場合はテープで補強したり真夏等は何か所か窓が開けられるよう工夫した養生をする場合があります。
塗装作業が終了したら最後に養生を剥がしていきます。養生のラインは塗装のラインがダイレクトにつながる為、しっかりした養生が必要です。
Step.4 シーリング工事
シーリング工事は主にサイディングの外壁やALCの外壁に多いです。それ以外の外壁にもサッシ廻りや軒廻りが傷んでいれば施工する場合も有りますが、基本的にはサイディングかALCの工事が大半です。シーリングは基本取り換えが通常ですが、サッシ廻り等は増し打ちで施工する事が多いです。施工する際にシーリングは5mm以上の厚みを付けないと機能的に意味がありません。
ですのでサイディングのジョイントは打ち替えが通常です。施工はまずカッター等で既存シーリングを取り、シーリングを打つ為のマスキングテープを養生します。取った時に中にバックアップ材(シーリングを止める材料)が無かったり隙間が空き過ぎてる場合、バッカーと言う詰め物をして材料の節約兼3点接着を防ぎます。(3点接着とはコの字に接着剤を付けると力の逃げ場がなくシールに亀裂が入る施工の仕方)の事を言います。
その後にプライマーと言われる接着剤を塗布してからシーリングをガン器で打ちます。その後ヘラでシーリングを撫でていき最後にマスキングテープを剥がします。ALCではある程度溝が深くてそれほど傷んでなければ増し打ちでもOKです。住宅の塗り替えを兼ねたシーリング工事の場合は後打ちと言って塗装が終わった後にシーリングを施工するケースもあります。
これはお客様にもよりますが、塗装前にシーリングを施工した場合、サイディングボードのジョイントが地震等で動く際高弾性塗料を使っても塗膜が割れてしまう為、雨漏り等の心配は有りませんが、見た目と気分的に嫌だと言うお客様には後打ちを進めています。後打ちの施工の場合は外壁の塗料の色に近い色のシーリング材を使いますが色や艶等が合わない場合も有ります。ですが、シーリングの上に塗料を塗らない為シーリング自体が割れない限り目立ちません。
しかし、後打ちする場合コーキングに汚れが付きやすくなる為防汚スプレーを吹き付けて汚れ防止をお勧めしています。他にも後打ちは選ぶ塗料の色によっては色と質感が変わるのはちょっと言うお客様であれば外壁の塗料の色に近いシーリングを先打ちする事によって塗膜が割れても下のシーリングの色が外壁に近いので目立ちにくい施工方法も有ります。
しかし、後打ちも外壁色の色に近い先打ちシーリングも若干割高になります。シーリングの材料に関してはシーリングも多種多様な種類が出ています。その中でもちゃんと用途に合っていてグレードの高いシーリングが長持ちします。塗り替えする前に打つタイプやウレタンシーリングや変性シリコンシーリング、その他、ノンブリードと言って汚染しにくいタイプ等有ります。通常、シーリングの寿命は10年位ですが、今は15年や20年近く持つ物も存在しています。15年物は基本フッ素塗料等、高耐候性塗料とセットで使うとバランスがいいです。
その他、偶に施主様や他の業者さんが只のシリコンシーリングを打ってしまっている家など見ますが、塗り替えする時の処理が大変です。この場合は全撤去するか撤去出来ない場合にはシリコンの上に塗装を乗りやすくする特殊なプライマーを塗布してから施工を行います。この施工をしないまま塗装してしまうとすぐに塗装の剥がれが来るので注意が必要です。
Step.5 下地補修工事
通常お手入れ時期が長引くと必ず下地の傷みが激しくなる為必ず下地補修が出てきます。その傷みの状況で使う材料ややり方が変わります。サイディングボードの釘の頭の周りが水が回ってえぐれていればパテを入れたり、釘が抜けてサイディングボードが反っていればビス打ちして反りを戻さなければなりません。
外壁が割れていればエポキシ樹脂を注入したり下地が腐食していればその部分を交換したりしないといけません。下地と状況に応じた適正な補修をする事によってその後の塗装の持ちが変わってきます。ですので、塗装工事をお考えの際は早目のお手入れ及び現場調査で工事価格も施工内容も変わってきますので是非築10年に近いてきたら一度お問い合わせください。
Step.6 ケレン及び下地調整作業
塗装するにあたって鉄部の錆や旧塗膜があると上手く塗料が乗らない為剥がれや錆の原因になってしまいます。そこで鉄部や旧塗膜の状態が酷い場合には必ずケレンと言う作業を行います。
ケレンとはさびや旧塗膜などを専用のスクレイパーやワイヤーブラシ、サンドペーパー他、素材に合った道具で取り除く作業の事を言います。この作業をする事によってその後の塗料の乗りや持ちが断然変わってきます。
逆にケレンをしないことによって半年位で錆だらけになったり塗膜剥がれが起きてしまう事が良くあります。下地が新品な状態でも逆に塗料の乗りを良くする為に必要な場合も有ります。その他に、素材に油分などついている場合はシンナーやシリコンスプレーなどで油分等を除去しなくてはいけません。
まず、しっかりした工事をお望みであれば金額だけで判断せずにきちんとケレン作業等下地調整作業が入っているかか確認しなければいけません。
Step.7 素材と状態にあった外壁の下塗り
外壁塗装工事をする際にほぼ100パーセントに近い確率で下塗り作業を行わなければなりません。素材と状態によってどの材料が使えるか、どの材料が適切かを現場調査や下処理の段階で見極めていきます。
例えば新設なら新設用の下塗り材だったり、改修工事なら改修工事用の下塗りだったり、素材が傷んでたり、傷んでなかったり、旧塗膜が何で塗ってあるか?どういう状態か?でも下塗りを変えていきます。この作業が適切でないと直ぐに剥がれてしまったり、膨れてしまったりします。現場によっては部分的に素材や痛みの状況に合わせて下塗りを変える事もあります。
塗り方も使う材料や素材でローラー施工か吹き付け施工か変えていきます。
Step.8 性能とをコストを考慮した外壁の上塗り
下塗り作業が完了したら今度は上塗り作業になります。
下塗りと上塗りとでは機能性も用途も全く異なります。
上塗りは基本的に外壁に耐候性を持たせて屋根や外壁を保護したり汚染から守ったりする役目になります。
ここで何の上塗りを選ぶかによって屋根や外壁の耐久性や機能や金額が変わってきます。長期的に持たせたいのであれば初期費用は一番高いですがフッ素塗料などの超耐久性塗料と選ぶことによってランニングコストを下げる事が出来ます。
逆に初期費用を掛けたくないのであれば水性のアクリル等の安価な塗料で短いスパンで何年間に一回塗り替えをすると良いでしょう。色替えを頻繁にされたい方にはお勧めです。
しかし、塗装工事は材料より足場や手間賃の方が掛かる為一番安い塗料を使って安くしても結局10年で2度塗り替えしたら高い材料で塗った方が安かったって事になりかねないので予算とランニングコストを考慮して決めていくのが一番良いと思います。下塗りと同じく選ぶ材料や素材によってローラー施工か吹き付け施工か変えていく必要があります。
Step.9 付帯塗装
付帯塗装とは外壁屋根以外の雨樋や軒、破風板と呼ばれる部分の塗装を言います。
付帯部はそれぞれ素材が違うことが多く素材に合った材料を使い分ける事が殆どです。外壁以上に下地処理やケレンなど必要になるケースがあります。特に軒などは通気させないといけない為下手な材料を塗ってしまうとすぐ剥がれたり膨れたりします。
軒は水が回りやすい為基本的には透湿性の高い塗料でなおかつ光の反射などで色むらや艶むらが出やすい為艶消し仕上げをおすすめします。雨樋や雨戸など状態が良く傷みがない場合などには必ず目粗し(ケレン)等の処理が必要です。これをしないと剥がれの原因になります。
他に、素材に油分等着いている場合には脱脂(シンナー等で油分を取り除く作業が必要です。これをしないと塗料がはじかれたり、塗料の乗りが悪かったりする為です。使用道具も付帯部に合った物を使用していきます。狭い場所などは専用道具を使ったり吹き付けしたりする場合もあります。近年では付帯部にも高級塗料を使う事が多くなってきていますが外壁塗料にどの位のランクの塗料を使用するかで付帯部の塗料も変えていくようにしましょう。
Step.10 屋根塗装
屋根塗装も外壁と同じく下地が悪ければ補修をして基本的には下塗り→上塗り2回の順に進めていきます。ここで屋根と外壁の違いは傷み具合によって下塗りを2回、もしくは3回位入れる場合が有ります。
なぜかというと屋根は紫外線と熱と雨風、氷害、雪外等、外壁よりダイレクトに被害を受ける為劣化速度が外壁の2倍近く早いという点から素材表面が劣化し下塗り塗料を1度塗っても全部吸い込んでしまう事があったりする為2回塗りするケースが有ります。吸い込まなくする様な表面で膜を作る様な下塗り材も出ていますが現場の素材の状況で浸透させて固めた方が良いのか、浸透型ではない下塗り材を使った方がいいか見極めます。
他にもコロニアル系屋根材の場合勾配が緩いと水が野地板(瓦の下地材)に回りやすく最悪雨漏りを起こす為、勾配の取れていない屋根には特に縁切りと言う処理が必要になってきます。
この縁切りと言う作業は昔はカッターやカワスキ等で瓦と瓦の間に入り込んだ塗料に切り込みを入れて瓦と瓦の間の縁を切ることによって水が裏側に回らない工夫をしていましたが、最近では温暖化の影響も有り縁切りしてもまたくっ付いてしまい元に戻ってしまう為タスペーサーと言う縁切り専用部材が出ていて瓦と瓦の間に直径5センチ位厚みが3mm程のスペーサーを入れて瓦と瓦の間に隙間を作ってあげる事によって水はけを良くし、雨漏りしにくい屋根にする事が可能です。
タスペーサーはあくまでコロニアル系の瓦にしか使えません。
基本的に他の瓦では縁切りする必要が有りませんが、一部の瓦(セメント瓦やモニエル瓦やトタン)は再塗装する必要性が有ります。大体コロニアル以外の屋根材は形状が複雑なため吹き付けとローラーを併用して塗る事が多いです。
塗料もコロニアル向きな塗料も有れば瓦向きな塗料も有れば金属瓦向きな塗料も有りますが塗装する素材と状態と立地環境とどういう機能を持たせるかで材料と施工方法と使用道具を変えていきます。屋根も外壁もそうですが最終チェックで塗残しが無いかチェックして完成になります。